大林組歴史館

以前に紹介した旧大林組本店のなかには大林組歴史館なるものがあります。
過去記事参照→旧大林組本店
大林組はいわゆるゼネコンです。(総合建設会社)
そのゼネコンのなかでも頂点に君臨する『スーパーゼネコン』と呼ばれる会社が5つあり、
大林組はそのうちの一角を占めています。
あとの4社は鹿島建設・大成建設・清水建設・竹中工務店とそうそうたる会社が名を連ねています。
しかも、大林組と竹中工務店は共に大阪が発祥で、現在も本社を大阪に置いています。
前回このビルを撮影したときに歴史館のことを知り、行こう行こうと思いつつ延び延びになっていましたが、
やっと行ってきました。
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天神橋南詰から西にすぐのところに旧大林組本店ビルがあります。
この向かい側には現在本店がある大阪大林ビルディングが建ってます。
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どうやら、ここが入口のようです。
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風格漂うアーチ型の入口です。
中に入るのは初めてです。
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最近、大規模な耐震・補修工事を行なったので内装は綺麗になってます。
エレベーターも新しくなってました。でも当時の雰囲気を再現しているんでしょう。
右側の壁には・・・
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ビルの歴史の説明板がありました。
今はルポンドシエルビルという名前なんですね。
エレベーターで3階に上がるとそこには・・・
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大林歴史館は無料です。
ただ、平日しか開館してないのが惜しいところです。(土日祝は休みです)

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中の様子です。
手前の大型テレビは映像も見ることができます。(この日は見なかったです)
収蔵映像は44本もあり、なかには大阪瓦斯ビル建設記録というものもあるので
いつか見てみたいです。
右の壁に沿って、創業からの歴史が展示されています。
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なかほどまで進むと、大林大阪ビルにあった大林芳郎名誉会長室の一部が再現されてます。
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この人が3代目社長の大林芳郎氏です。
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電話機が時代を感じます。
こっちのコーナーは歴代社長別に展示してありました。
そして、この壁の向こうには大林組が建設した数々の建物を年代順に展示してありました。
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大林組は1892年(明治25)に創業し、そこから年代順の展示になってます。
ここからの展示は非常に興味深いものがたくさんありました。
大林組の歴史はそのまま近代大阪の歴史でもあるんです。
下段に並んでる写真はこの年代に建てた建築物です。
これまで当ブログでは大阪の近代建築をたくさん紹介してきましたけど、施工会社までは
あまり意識していませんでした。
この展示を見て、大林組のすごさをはじめて実感しました。
それではいろいろ紹介していきます。
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天保山沖一帯にかけての大阪市築港工事を大林組が一手に落札してます。
この工事は大阪市の年間予算の20年分に相当するという大規模事業です。
ここから怒涛の成長を始めることになります。
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これは天王寺で開催された第五回内国勧業博覧会です。まあ万博ですね。
これも唯一の在阪業者である大林組が一括受注したことも話題を集めたそうです。
そして、この博覧会跡地に初代通天閣が建てられ、遊園地(ルナパーク)がオープンしました。
大阪くらしの今昔館にルナパークの模型があります。
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なんと東京駅も大林組でしたか。
この頃から鉄筋コンクリートというまったく新しい構法が日本にも入ってきて、欧米で主流であった
様式建築が移入されはじめたことで、近代的建築が一斉に開花したと説明されてます。
そして大正13年12月に東京中央停車場(東京駅)が開業しました。
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竣工当時の写真です。
今とは違って、まわりに高い建物は全くないですねえ。(当たり前か・・・)
竣工当時の赤レンガの一部も展示してありました。
他の地域はこれくらいにして、大阪視点で見ていきます。
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生駒トンネルはこんなに古かったとは知らなかったなあ・・・
大正13年に貫通してます。すごい...
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ダイビル本館です。これもかあ・・・
来年3月には取り壊しが決まっているのが残念です...
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そして大正15年に、本店新社屋が完成しました。
今と全く変わりないです。
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昭和に入ると有名建築物のオンパレードです。
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住友ビル(大正15年竣工)。
現在の三井住友銀行大阪本店営業部です。
阪神高速の高架道路がないのでこの角度からも全部見渡せます。
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南海ビル(昭和7年竣工)。
高島屋と南海なんば駅です。
今も変わらない姿がうれしいですね。
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大阪瓦斯ビルディング(昭和8年竣工)。
この当時は北館(増築部分)がない状態です。
そのほかにも現存する近代建築をたくさん施工しています。
建物以外のものもありました。
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桜宮橋です。
当時としてはすごい技術だったそうです、
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大江橋、淀屋橋も大林組がやってたんですねえ。
ちなみに今の大阪市役所も施工してました。
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となれば天神橋もそうですよね。なんせ本店のすぐ横に架かってますから。
当時の風景はこんなんだったんですねえ。
このアングルはまさに本店ビルから撮影したんでしょう。
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大阪城天守閣までも施工してます。
説明によると↓
『大阪市民の寄付が半年で150万円集まったが、城内の軍施設や公園整備に多くが
費やされ、差し引くととても天守閣の建設予算43万円に足りず、3回の入札が成立しなかった。
そこで、地元の建設会社として大林組が大赤字で工事を引き受けた。受注金額は38万円であった。』
と書いてありました。
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この写真からは、人間の力で造り上げたというのが伝わってきます。
この時代に大型クレーン等の重機なんかないですもんね。
戦後になっても快進撃は続きます。
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阪神百貨店(1963年竣工)。
当時は市電も走ってました。
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こんな風にこれでもか!というぐらいに施工物件が並んでました。
大阪の物件をピックアップしてますけど、もちろん全国的にいろんな物件を施工してます。
海外にも進出してます。
昭和38年に建築基準法が改正されて超高層ビルの建設が可能になると、第1号のビルを
施工したのも大林組です。昭和40年竣工の横浜ドリームランド・ホテルエンパイア(21階建)です。
それから数年後の昭和48年には高さ120mの大阪大林ビルが西日本最初の超高層ビルとして
竣工してます。
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建設工事中の写真を見たのは初めてです。
真っ赤な鉄骨がかっこいいですねえ。
まだまだ直近の時代まで続いてますが、このへんにしておきますね。
このビルは土佐堀川に面しているので、いい眺めが期待できます。
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この左側にはすばらしい景色が・・・
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天神橋と中之島がよく見えてええ感じです。
完成当時とは周りの景色が違いますけど・・・
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アーチの中央には右書きで「天神橋」の名前も見えました。
上から見下ろすのもいいもんです。
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反対側には梅田の高層ビル群もよく見えました。
でも中央公会堂は阪神高速で遮られて上部しか見えませんでした。うーん...
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そして、ここにはこんなものも・・・
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「e-よこ界隈でええはがき展」という東横堀界隈の埋もれた魅力を絵はがき作品「ええはがき」
で発信する展覧会です。
東横堀界隈のおよそ20ヶ所の店に「ええはがき」を展示していて、お土産用にタダでもらえます。
11月30日まで展示しているそうですよ。
いやあ、この歴史館に行ったおかげで大林組が大阪の近代建築に重要な役割をはたしていた
ということがよくわかりました。
このような素晴らしい施設はせめて土曜日は開館してほしいと強く思いました。

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大林組歴史館 への4件のフィードバック

  1. ファジー のコメント:

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    歴史的な名建築にその名を留めているのですね。
    とても参考になりました。
    建物の竣工写真や、建設中の写真はやはり胸躍ります。とても楽しいです。
    先日成田のお不動さんに行ったときもその名を見ました。
    http://fuzzyphoto.blog120.fc2.com/blog-entry-783.html

  2. カオス のコメント:

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    この施設は大阪の近代建築の歴史といってもいいぐらいでした。
    夢中で写真を撮りまくりました。
    まさか大林組がこれほどとは思ってなかったです。
    本社を東京に移す企業が多いなかで、今も本社を大阪に置く心意気を感じました。
    成田山新勝寺の名前は僕でも知ってるぐらいだから有名ですよね。
    交通安全のお守りといえばこの寺が思い浮かびます。
    これまたりっぱな総門ですねえ。
    このような寺社建築まで手がけてるとは知りませんでした。(歴史館に載ってたかなあ・・・)
    調べてみると、これまた大阪の建設会社である金剛組も施工業者として名前を連ねてました。
    金剛組といえば四天王寺建立のために創業した現存する最古の企業だそうです。
    おそらく代表で受注したのが大林組だから会社名を刻んでるんでしょうねえ・・・

  3. ゴリモン のコメント:

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    天神橋の写真は70年越しの定点観測ですね。
    しかし建設中の大林ビル、かっこえー!
    ダイビルは来年春よりももう少しは残ってそうです。

  4. カオス のコメント:

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    この施設を見るまで、大林組が大阪で創業して今もこの地に本社があるとは
    思ってもみませんでした。
    近代建築と共に歩んできた歴史が凝縮されてました。
    あの赤い鉄骨はかっこいいですよね!
    今では全く見ないですけど、なんでかな?
    ダイビルの取り壊しは延期ですか?
    でもいずれはなくなってしまうので残念です...

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